怖れと繋がり血統を開く旅(その2)

(その1)からの続き

二日目の朝

まだ日が昇る前に目が覚めて散歩に出た

海岸沿いを歩いていくと
鳥居を見つけ奥へ奥へと分け入ると
鍾乳洞があった

入口に立ち奥の暗闇へと
足を踏み入れようとした途端
身体が止まる

怖い

長らく忘れてたけど
これが怖いだ
と思い出した
身体が前に進まない

スマホのライトで照らしたとしても
吸い込まれそうな暗闇
せめて陽の光がさせば奥が見えるかもしれないのに
そう思ったとたん
背中から朝陽が照らした
凄いタイミング

沖縄は日の昇る海の遥か彼方
ニライカナイを信仰している
振り向いて手を合わせる
お日様に守られているなぁと感じながら
畏敬の念が僕の中にも湧いてくる

また鍾乳洞の奥を振り向てみる
陽の光に照らされて
すこし奥が見えたものの
まだまだ奥深く暗闇が続いている
背を陽に支えられながら
暗闇の怖さと向き合っていると
母のことを思っていた

最後まで分かり合えなかった母
なぜそんなにも犠牲者のようなのか?
いったい何を観ているのか?
僕には分からなかった
あれは
沖縄の悔しさと繋がっていたんだ
この土地の悔しさを母は負っていたんだ
あれは集合無意識で母個人ではなかったんだ
そう思えたら母のことがやっとわかった気がした

僕は怖かったんだ
この怖れに触れることが
分からないことに触れることが
分からないから無いことにして
他人のように無関心になっていたんだ

お母さんごめんなさい

(その3)へ続く

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